建基法での防耐火試験


建築基準法による防火規制は主に次のような項目をベースとして規制している。

  • 建築場所・・・・防火地域、準防火地域、22条地域、その他
  • 建築物の種類・・木造、RC造、建物の階数、延床面積
  • 建築物の用途・・公共施設(不特定多数が出入り)、商業施設、オフォスビル、倉庫、一般住宅等

防火耐火の認定を受けるには下記の公的機関に相談して試験を実施し、大臣認定を取得する。


公的機関名 住所 電話番号
財)日本建築センター 東京都中央区神田錦町1-9 東京天理ビル 総務部 03(5283)0461
財)建材試験センター 埼玉県草加市稲荷町5-21-20(中央研究所) 防耐火G 048(935)1995
財)日本建築総合試験所 大阪府吹田市藤白台5-8-1(本部) 環境部耐火防火試験室06(6834)0157
財)ベターリビング 茨城県つくば市立原2(つくば建築試験研究センター) 029(864)1745
財)北方建築総合研究所 北海道旭川市緑が丘東1条3-1-20 0166(66)4211(代表)
財)日本住宅・木材技術センター 東京都江東区新砂3-4-2 03(5653)7662(代表)

 

 耐火建築物、準耐火建築物、防火構造、準防火構造、内装制限(不燃、準不燃材料)、防火区画、防火設備(スプリンクラー、防火扉)、避難誘導(階段、廊下、出入り口)などがそれぞれ規制されている。

内装制限(不燃材料、準不燃材料、難燃材料)

仕上げや下地材料に使われる建築材料には、初期火災の災害を防ぐために①燃焼しないこと②防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないこと③避難上有害な煙又はガスを発生しないことが定められている。(令108上の2)


  • 不燃材料・・・コンクリート、れんが、瓦、陶磁器タイル、繊維強化セメント板、ガラス繊維混入セメント板、ガラス繊維混入カルシウム板、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス、モルタル、漆喰、石、ロックウール、グラスウール板 等
  • 準不燃材料・・・不燃材料のうち、大臣認定品、石膏ボード(9mm厚以上)、木毛セメント板(15mm厚以上)、硬質木片セメント板(9mm厚以上)、木片セメント板(厚さ30mm以上)、パルプセメント板(6mm厚以上)
  • 難燃材料・・・準不燃材料のうち、大臣認定品、難燃合板(5.5mm厚以上)、石膏ボード(7mm厚以上)

不燃材料の基材試験(ISO1182 建告1828 JIS A 1321)

基材試験は不燃材料の評価をおこなうもので、750℃±5℃の炉内に試験体を挿入して一定時間内に炉内温度が20℃以下及び試験体重量減少が30%以下を合格としている。
但し、ISOとJIS法では3つの点が異なる。

1. 試験体の大きさ: ISO 40mmΦ×50mm(円柱) JIS 44mm×44mm×50mm(四角柱)
2. 測定時間: ISO 30分 JIS 20分
3. 測定温度  ISO 3箇所 JIS 1箇所


発熱性試験(コーンカロリーメータ試験 ISO5660-1 ASTM E 1354 建告1400~14002)

平成12年までは発煙性試験(後述)で評価されていたが、世界的に酸素消費量から材料の発熱性で評価されるようになり、ラウンドロビンテストを行った結果、コーンカロリーメータ試験が採用された。ガス毒性(一酸化炭素、二酸化炭素、酸素濃度等)も同時に分析される予定であったが、装置の精度やメンテナンスに問題があり、発熱速度と総発熱量で判定することとなった。不燃材料は20分、準不燃材料は10分、難燃材料は5分の試験。

 

 発煙性試験(建告1231 JIS A 1321)

  発煙性試験は、英国規格BS4746Part7を参考にして昭和51年に作られ、平成12年まで運用されてきた。この試験は、表面試験、穿孔試験、ガス有害性試験の3つで構成されており、 試験体の大きさは、厚さ×220mm×220mm。判定基準は以下のとおり。

  ガス有害性試験

 ガス有害性試験は、国内で唯一規格として残っている試験で、マウスを使った動物実験であるために、最近では有名無実化している。赤ラワン材を標準物質としてマウスの行動停止時間(6.8分)より長いものが合格となる。これまでで不合格となったのは2種類のみのようだ。

模型箱試験(ISO17431 建告1358)

模型箱試験は、以前発煙性試験の付加試験(例えば複合材料や目地などがあるもの)として採用されていたが、発熱性試験が主体となって、模型箱試験を選んで受けてもよいのであるが、手間暇がかかり試験コストも高いために、最近では発熱性試験で評価されることが多い。試験体の大きさ:奥行壁:840mm×840mm、側面壁2箇所:840mm×(1720+d材料の厚さ)、 天井:(1720+d)×(920×2d) 。この試験では火源としてエゾマツクリブ(角材を井桁状に組んだもの)を採用し、試験体の支持体の木枠を採用していたが、日本オリジナル色が強いために、火源を拡散型ガスバーナー、支持体を鉄製枠として改訂模型箱試験としてISOに提案している。

 

屋根飛び火試験(ISO12468-1 建告1365)

屋根材は不燃材で葺く又は被覆するのが原則であるが、近年太陽光発電のように屋根上部に可燃性物質を設置することが認めらたことから、飛び火試験が採用された。個の試験は一定の傾斜角に設定された試験体(幅1.2m×長さ2m)の上面に火災時の火の粉を想定したクリブを火源として風速3m/sの風をあて、30分間で延焼拡大や屋根貫通がないかを判定する。通常の火源では、40×40×40mm(33g)のブナ材クリブ2個を使用する。防火・準防火地域では火源を80mm×80mm×60mm(155g)を使う。

 

 

主要構造部分の耐火試験(令107条1項1号)

主要構造部分である柱、梁、床、耐力壁に限る外壁、間仕切り壁、屋根、階段には建築物の階数によって耐火試験時間が異なる。(下表参照)

防火地域、準防火地域においては、耐火建築物、準耐火建築物、3階建て木造建築物には以下の規制がある。

 

耐火試験・準耐火試験及び防火試験・準防火試験の加熱曲線は、ISO834に統一されて次のような曲線で温度制御をおこなっている。

 

各種耐火試験の炉は柱、梁、壁、屋根などの部位によって加熱炉がそれぞれ異なる。

耐火試験の判定基準は、裏面温度と試験体のたわみで評価される。

たわみについては以下の項目が挙げられる。

     

  • 壁及び柱にあっては、試験体の最大軸方向収縮量及び最大軸方向収縮速度が次の値以 下であること最大軸方向収縮量(mm):h/100、最大軸方向収縮速度(mm/分):3h/1000
      hは試験体初期の高さ
  • 床、屋根及びはりにあっては、最大たわみ量及び最大たわみ速度が次の値以下であること。ただし、最大たわみ速度は、たわみ量がL/30を超えるまで適用しない。最大たわみ量(mm):L2/400d、最大たわみ速度(mm/分):L2/9000d 但しLは試験体の支店間距離(mm)、dは試験体の構造断面の圧縮縁から引張り縁までの距離(mm)
  • 階段にあっては、段板の最大たわみ量が段板の支持長さの1/30を超えないこと。

耐火試験の裏面温度基準は以下のとおり。

屋根耐火試験

屋根耐火試験は、屋根に荷重積載させた状態で加熱試験をおこない、そのたわみを含めた状態で判定される。

 

防火試験・準防火試験(法2条8号)

隣家に火災が発生すると、自分の家に影響する。その炎は執拗に燃え広がり、外壁、軒裏、屋根に燃え広がる。 木造住宅の火災の燃焼温度は1200℃に達し、3m離れた隣家が受ける温度は800℃を超えると言われている。 (写真参照)

そこで、防火地域、準防火地域の木造建築雨物の外壁や軒先に延焼が及ぶ恐ればある場合は、防火構造認定(告示1359号)が必要となる。 一方、準防火構造は、以前は土塗り壁同等試験と呼ばれていたが、最近の法規制改訂で、22条地域の木造建築物等の外壁に延焼の恐れがある場合に認定(告示1362号)が必要となる。
試験条件と判定基準は、以下の表のとおり。


防火設備

防火戸は、以前甲種と乙種に分類されていたが、現在では、次のように分類されている。

防火設備の性能要求は、以下のとおり。