日本製鉄の躍進
現代では半導体を中心とするIT技術が世界を制すと言われているが、ひと昔前は「鉄は国家なり」と言われていた。日本の鉄鋼業界も長い間不況となっていた。それも中国の安価な粗鋼が世界を駆け回り、太刀打ちできなくなっていた。ところが、日本製鉄の橋本社長になって安価な汎用鋼を止め、ハイテクな素材、高張力鋼鈑(通常40kg/mm2を80,100,120kgに強度を上げた)と電磁鋼鈑(電気を通す)にシフトして再び脚光を浴び、今や米国のUSスチールを2兆円で買収しようとしている。米国民がびっくりするのも当然である。高張力鋼鈑(ハイテン材)は、強度が強いのでその分板厚を薄くできるため自動車車体の軽量化に大きく寄与できる。一方、電磁鋼鈑は、変圧器やモーターなどに使われエネルギーロスが少なくなる。更に鉄を精製するエネルギーとしてCO2削減対策としてアンモニアや水素エネルギーを検討している。誇らしい限りである。