香港タワーマンション大火災

26日現地時間午後3時ごろ、香港から14km離れた大埔区にある8棟建ての高層マンション群「宏福苑」(1980年代竣工)8棟(1棟250戸)全2,000戸(住民4,000人以上)の大規模修繕のために、足場を竹で組み、合繊のネットを貼った状況で、竹になんらかの理由で着火した。足場は上方や横方向に燃え広がった。(足場を竹で組むのは中国では一般的であるが、日本では鉄製単管を組み合わせる)さらに各戸の窓枠が燃えていることから断熱材として使用していたポリスチンフォームに展炎したものとみられる。日本時間29日現在、死者94名、負傷者70名以上、行方不明者270人とみられる。火の元の原因は、一般的にタバコの火か溶接工事の火花である。
<問題点>
・足場を竹で組む(中国では一般的だが、最近金属製単管を使うよう指導されている)
・合繊ネット(風よけのために網目状になっているが、防炎性も必要で、今回の火災では防炎機能が全くないことが分かっている)
・窓廻りに結露防止用として発泡スチレンがつかわれている。日本でも一時期現場発泡ウレタンを窓廻りに注入していたことがある)また、中国では外断熱工法にスチレン断熱材の上から外壁を貼る工法が一般的。今回の現場では、建物が古いため、外断熱はされていない。
・住民の多数は、70-90代の高齢者で行方不明になっている270人は死亡している恐れがある。

・建物の設備として非常階段、排煙設備、火災報知器、スプリンクラー等の設備がないか不備があった。


2025年11月28日