ウレタン断熱材と溶接の火花

昨日の多摩市の火災事故は、過去に何度も繰り返し起きてきた火災である。日本に限らず、最近ではロンドンのタワーマンション改修工事での大惨事や中国、韓国でも起きている。ウレタン断熱材は、壁や天井に結露防止として一般的に普及しているもので、完成した建物では、石膏ボードなどで被覆されてしまうので、火災が起きることはあまりない。建設中の場合は、ウレタン断熱材がむき出しに施工されているために、その後に溶接・溶断作業や溶剤を含む塗装などの作業で、ウレタンに火が移って火災となるケースが多い。私の経験では、壁に施工されたウレタン断熱材のそばで溶接工事をしていると、作業員は革手袋をしているので、ウレタンに火が付いても手袋でパタパタすればすぐに消えてしまう。だんだん慣れてくると、作業時間が長くなり、ウレタンに火が付いてもすぐ消せると思い込んでしまう。ところが、一旦火が拡大すると、あっという間に天井部分まで達して、ウレタン表層部5mm程度を舐めるようにして酸素を求めて出口まで一気に黒煙を吹きながら、燃焼拡大する。(このホームページのデモ写真を見ていただければわかると思うが)この間1-2分である。作業者が気づいて逃げようとすると、黒煙で出口が見えなくなり、出口に達しないうちに、倒れてしまうことになる。一方、わかりにくい溶接溶断の火花のケースは、床のスリーブを通して階下のウレタンに着火する場合である。いずれにしてもウレタン施工後、防火コートや不燃材被覆を義務付けているゼネコンが多いと思うが、経費節約のために、省略するケースも多い。日本ウレタン工業協会のHPでも過去のウレタン事故例として紹介する。

 

 

2018年07月27日